2017年03月30日

資格内異業種への転職時に関する注意点

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薬剤師の養成課程が4年制であったころ、特に国立大学の薬学部を卒業したが就職先で通過するゴールデンルートと呼ばれるものがありました。それは、製薬企業の研究職、製薬企業のMR、病院薬剤師、調剤薬局、OTCという順番であり、この反対を通るのは難しいとされていました。例としては、ギブスの自由エネルギーのように安定な方向へと物質が変化していくのに近い感覚です。調剤薬局やOTCの仕事が簡単で誰でもできる仕事とは決して言いませんが、少なくとも転職のしやすさにおいては他の職種と比べても群を抜いています。そして、この傾向は現在も続いており、矢印に逆らわなければ比較的容易に転身することができます。しかし、一度安定な職種に移ってしまうと、その逆に移動するのは相当なエネルギーを必要とします。

これらの資格内異業種への転職は、給与や待遇だけでなく、どのような仕事がしたいのか、自分の将来像をどのように考えているのかが非常に大切です。つまり、自分の5年後、10年後のビジョンが描けているのであれば、どんな資格内他業種であってもおそらく可能でしょう。逆に言えば、給与や待遇だけを目的として、資格内他業種へ転職するのは控えた方が賢明です。同じ有資格者であっても業務内容は全くと言って良いほど異なりますし、必要となる知識やスキルも違います。生半可な気持ちで転身するのは辞めたほうが良いでしょう。そして、これらの資格を活かしつつ他の資格も取得したいという方もいるかもしれません。また、これら以外の資格を取得して完全にこれら以外の仕事に転身したいという方もいるでしょう。1つ目は弁護士であり、司法試験に合格するのは医師になることよりも難しい時代もありましたが、近年の新司法試験制度の導入によって大幅に取得しやすい資格となりました。

法科大学院を修了すると、司法試験の受験資格が得られますが、以前の司法試験と異なり合格率は格段に上昇しています。そのために弁護士は供給過剰気味となっており、就職できない弁護士が増えた事実は否めません。しかし、最近は医療機関や薬局などを被告とした医療訴訟が増加してきています。そのため医療に精通した弁護士が必要とされており、弁護士への転身はこのニーズを満たせる可能性があります。そして、2つ目に弁理士があります。弁理士の国家試験の選択科目は、これらの資格を持っていると一部が免除となります。弁理士と言えば特許事務所に勤めて特許申請を行う仕事のイメージが強いですが、特に製薬企業においては製剤化や成分の合成・精製技術において特許取得がジェネリックと差をつけるいわば「生命線」となっていますので、製薬業界では弁理士資格を持つこれらの需要はいつの時代も高くなっています。


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